2016/10/04
Nijiko
春雨はエスニック料理に使われる乾麺の一種で長期保存ができる便利な食材です。原料は緑豆やジャガイモなどのでん粉なので、成分のほぼ8割が炭水化物。今回は炭水化物が多い春雨に野菜や肉や魚介類をプラスした栄養のバランスの良いエスニック風の春雨料理のレシピを紹介します
春雨(はるさめ)は、緑豆やじゃが芋やさつま芋から採取されたデンプン(炭水化物)を原料として作られるアジアの乾麺です。
最初に作られたのは、西暦1000年前後の中国で、日本には鎌倉時代に中国から精進料理の材料として伝来したと言われています。
春雨は長期保存に適した乾麺なので、食べる時にはお湯につけて戻したり、油で揚げたりして、お肉や野菜と一緒に調理されることが多いです。
中国では、炒め物や汁の少ない鍋料理や、春巻きなどの具にしたり、麺料理として使ったりして使われます。
タイ料理ではヤムウンセンなどの和え物や鍋物、トムヤムクンなどのスープ料理に春雨が入れられることもあります。
ベトナム料理では、フォーやブンと同じように麺料理としてスープやサラダのように利用されます。
朝鮮料理では水で戻した春雨を野菜類と一緒にごま油で炒めたチャプチェが有名です。
日本では鍋料理に入れたり、スープに入れて春雨ヌードルとして食したりします。またサラダに加えたり麻婆豆腐の豆腐の換わりに春雨を入れた麻婆春雨にしたり、簡単にできる惣菜の材料として使われています。
春雨100 gあたりの栄養価
エネルギー 345 kcal
炭水化物 84.6 g
食物繊維 3.7 g
脂肪 0.4 g
タンパク質 0.2 g
ミネラル
カルシウム 23 mg
鉄分 0.9 mg
マグネシウム 7 mg
マンガン 0.03 mg
リン 16 mg
カリウム 31 mg
ナトリウム 11 mg
亜鉛 0.1 mg
カロリーを見てもわかる通り、春雨は決してカロリーの低い食品ではありません。春雨の栄養素はその8割が炭水化物なので、春雨だけを多く食べていては栄養が偏ってしまいます。春雨は小麦粉の麺類を用いたインスタントの麺類よりも低いカロリーではありますが、春雨を麺類やご飯の換わりにしたからと言ってダイエットが出来るわけではありません。
成分のほとんどが炭水化物の春雨と肉や魚介類などのたんぱく質や脂質、ミネラル類、野菜などのビタミン類を組み合わせると、とてもバランスのよい栄養満点な料理になります。
炭水化物が多いとは言っても、春雨は保存の効くとても便利な乾麺です。上手に使って必要な栄養素をバランスよく食べられる献立に役立てましょう。
炭水化物の多い春雨に胡瓜とハムと白ゴマを加えたさっぱり美味しい中華風春雨サラダです。
春雨 40g
きゅうり 1本
卵1個
ハム 4枚
ドレッシング
醤油 大さじ2
酢 大さじ2
味醂 大さじ2
ごま油 大さじ2
白ごま適量
作り方
1.きゅうり、ハム、薄焼き卵は千切り
2.春雨は表示通りにもどし、10cmほどにカット
3.ドレッシングの調味料を合わせる
4.1.2.3.を混ぜる
5.3.ドレッシングを加えて完成
とても簡単にできる春雨サラダです。中華風ドレッシングがとても合いますが、コクが欲しい場合はマヨネーズと醤油で和えても美味しいです。春雨は炭水化物が多いのでオイル類を入れないでさっぱりと酢の物風にするとカロリーが控えめになります。
春雨サラダの応用
春雨に新玉ねぎと三つ葉と茹でた海老を加え、上記の中華風ドレッシングで和えればエビとミツバと春雨の和え物の出来上がりです。炭水化物が多い春雨ですが、戻した春雨は水分が多く、サラダだけでもおなかいっぱいになるのでヘルシーですね。
材料
春雨 150g
ごま油 大さじ1程
豚のひき肉 200g程
玉ねぎ 1/2個みじん切り
人参 1/2本みじん切り
シイタケ 4個スライス
生姜・にんにく みじん切り 適量
調味料
紹興酒(又は日本酒) 大さじ1強
鶏ガラ顆粒 小さじ1程
しょうゆ 大さじ1強
みりん 大さじ1
豆板醤 大さじ1 お好みで
水 (調整用) 適量
作り方
1.春雨を好みの硬さに茹でざるにあげておく。
2.フライパンにごま油を入れ、生姜、にんにく、ひき肉、玉ねぎを炒める。肉に火が通ったら、人参、シイタケを加え炒め、紹興酒、鶏ガラ顆粒、しょうゆ、みりん、豆板醤で味をつけ、茹でた春雨を加えよく混ぜながら、炒める。
3.固いようなら少し水を加え、春雨が好みの硬さになったら器に盛って完成。
簡単にできる炒め物ですが、お酒の肴にもご飯のおかずにもなって便利な1品です。春雨は炭水化物が多いので、ご飯の食べ過ぎには注意が必要ですね。
材料
白菜 1株
干ししいたけ 8個
乾燥春雨 60g
豚バラ肉 300g
鶏もも肉 1枚
水 1~1.2L
ごま油 適量
塩 適量
一味唐辛子 適量
1.干ししいたけは半日~一晩程度水に浸けて戻しておき半分に切る。
2.白菜は食べやすい大きさに切る。春雨は40秒程ゆでて食べやすい長さに切る。豚バラ肉と鶏もも肉も食べやすい長さに切る。
3.鍋に分量の水を入れて沸かし、干ししいたけと戻し汁、白菜の芯、豚肉、鶏肉を入れて蓋をし、弱火で10分程煮込む。残りの白菜とごま油50mlを加え、10分煮込む。
4.白菜が柔らかく煮えたら春雨を加えて5分程煮込み、ごま油大さじ1~2を回しかける。
5.取り皿にとりわけ、各々好みの量の塩と一味唐辛子で味付けをして完成。
男飯としても知られる鍋料理です。
舞台美術作家の妹尾河童さんが流行らせた料理として有名。鍋の中の春雨や白菜やお肉を食べた後、〆にご飯を入れておじやにして、炭水化物をたーくさん食べてお腹いーっぱいになるのが妹尾流ピェンローだったらしいですよ。
春雨 20g
豚挽き肉 50g
海老 4尾
紫玉ねぎ 1/2個
セロリ 1本
パクチー 1束
ピーナッツ 大さじ2
タレ
ナンプラー 大さじ2
ライムの絞り汁 大さじ2
砂糖 大さじ1
赤唐辛子 1、2本
1.春雨は水で戻してから軽く茹で、ざるにあけて冷ます。海老、豚挽き肉もさっと茹で、冷ます。紫玉ねぎはスライス、セロリは4センチ長さに切ってから薄くスライス、パクチー(あるいはミツバ)はざく切りにする。ピーナッツは乾煎りする。
2.タレを作る。赤唐辛子は小口切りにし、ナンプラ―、ライム(あるいはレモンかお酢)の絞り汁、砂糖とあわせる。
3.直前に(1)と(2)のタレをあえ、器に盛り完成。
パクチーが苦手な場合は三つ葉に換えても美味しいです。炭水化物の多い春雨と緑黄色野菜を組み合わせて、美味しく頂きましょう。
材料
春雨(フォー) 140g
もやし 1/2袋(100g)
香菜 1/2袋(20g)
スープの材料
鶏肉 (もも肉)1枚(250g)
鶏ガラスープの素 小さじ2
生姜 1/2片(5g)
ニンニク 1片(10g)
ナンプラー 大さじ2
酒 大さじ2
塩 少々
こしょう 少々
水 1000ml
作り方
1.スープを作るために、 鍋に鶏もも肉、鶏がらスープの素、薄切りにした生姜、つぶしたにんにく、酒、水を入れて火にかける。アクを取りながら、10分ほど煮込んだあと、鶏肉を取り出し、食べやすい大きさに切る。スープは取っておく。
2.別の鍋に湯を沸かし、春雨ともやしを入れて、茹でる。
3.スープにナンプラーと塩こしょうで味をととのえる。茹であがった春雨ともやしは水気をよく切って器に入れ、上からスープを注ぎ、鶏肉、2~3cm程度の長さに切った小ねぎと香菜を乗せる。
フォーの換わりに春雨を使用したベトナム料理です。
ナンプラーや唐辛子、レモンやライムなどを加えて、お好みの味に調整しても美味しいです。
材料
豚肉 150g(薄切り)
無頭エビ 100g
キャベツ 200g
ニンジン 60g
万能ネギ 適量
春雨 150g
鶏がらスープ 4カップ
塩 小さじ1/2
コショウ 少々
ゆで卵 4個
しょうゆ 適量
片栗粉 少々
サラダ油 大さじ2
調味料
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
薄口しょうゆ 大さじ2
作り方
1.豚肉は一口大に切り、エビは殻をむく。キャベツは3短冊、ニンジンはせん切りにする。
2.ゆで卵は半分に切る。
3.春雨は熱湯でゆで、冷水に取ってからザルにあげる。鶏がらスープに調味料を加える。
4.中華鍋に油を熱して豚肉・エビを炒め、続いてキャベツ、ニンジン、キクラゲを炒める。鍋にスープを加えて春雨を入れ、塩、コショウで味を調え器に盛り、万能ネギを3cmの長さに切って加え、卵をのせ完成。
熊本の郷土料理として知られる、太平燕(タイピーエン)ですが、元は福建省の郷土料理だったものが伝来したと言われています。
材料
牛薄切り(または小間切れ肉) 100g
水煮たけのこ 1/4個
にんじん 1/4本
きゅうり 1/2本
しいたけ 2個
豆もやし 50g
春雨 100g
ごま油 大さじ2
塩、こしょう 各少々
にんにくのすりおろし 1かけ分
しょうゆ 大さじ2
砂糖 大さじ1
糸唐辛子(あれば) 少々
作り方
1.牛肉は細切り。たけのこ、にんじん、きゅうりは長さ4〜5センチのせん切り。しいたけは軸を取って薄切り。春雨は袋の表示を目安に熱湯でゆで、ざるに上水気をきる。小さなボウルににんにく、しょうゆ、砂糖を混ぜ合わせておく。
2.フライパンにごま油を熱し、牛肉を炒め、肉の色が変わってきたら、にんじん、たけのこ、しいたけ、の順に加えて塩、こしょうをふり、しっかりと炒める。
3.野菜に火が通ったら春雨、豆もやしきゅうりを加えて炒め合わせる。全体に味がなじんだら器に盛り、糸唐辛子をのせ完成。
チャプチェは韓国の春雨料理です。調味料を換えてキムチ味やカレー味にして、アレンジチャプチェを作るのも楽しいですね。
いかがでしたでしょうか?炭水化物が主成分の春雨に野菜や肉や魚介類をプラスした栄養バランスの良いエスニック風春雨料理のレシピを紹介しました。炭水化物が多いとは言っても、春雨は乾麺なので、お湯に浸したり、茹でたりすれば、水分量が増えるので、満腹になりやすい食材ですね。
なので、小腹が空いた時などに手軽にスープにして食べるのにはむいていますね。
また、主成分が炭水化物の春雨に野菜やお肉などをプラスして調理すれば、それだけで栄養満点の料理を作ることも可能です。
炭水化物は生きていくために必要な栄養素です。摂り過ぎれば、肥満や成人病の原因になりますが、脳の栄養になるのは炭水化物などから摂取される糖分だと言われているので、集中したい時やハードなトレーニングをする時には多めに食べておきたい栄養素でもあります。バランスの良い献立の中でしっかりと炭水化物を摂取して、健康に過ごしたいですね。
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