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具材の奥が深い組み合わせ!お吸い物のあれこれご紹介します!

お吸い物といえば、ひなまつりや節分などお祝い事のイメージ。しかし、お吸い物は具材へ様々な願いを込められているのです。また、お吸い物の構成や具材の意味はなかなか知らないと思います。そんなお吸い物の成り立ちや、具材の豆知識、意外な具材の組み合わせをご紹介します。

お吸い物の歴史・特徴

日本料理の汁物料理の一種です。よくお祝い事や、懐石での煮物には吸物が多く用いられていますね。懐石料理では、料理の最後に「小吸物」という箸洗いとして供されることもあります。醤油を使った「すまし汁」や、塩の味付けに魚介類を加えた「潮汁」なども、吸物の一種です。

お吸い物は、基本的には汁が透き通っており、 酒と一緒に肴として提供される汁料理のことを言います。

時代の流れとともにお吸い物へ

起源はなんと、奈良時代です。「あつもの」という熱い汁料理の語が登場し、平安時代の文献には冷汁・汁膾などの「汁」の語が記され、鎌倉時代には中国から伝わったとされる「豆腐羹」という汁料理が精進料理に食べられています。

その後、室町時代になると「吸物」と呼ばれ、江戸時代で味付けや用いる具材の種類も増えました。また、季節ごとのお吸い物も考案されるようになったそうです。

お吸い物の構成3拍子

お吸い物は、椀種(わんだね)・つま・吸い口の三拍子の組み合わせ

椀種とは吸い物の中心的な具材のことで、主にたんぱく質を多く含む材料が使われる特徴があります。代表的な具材として、魚介類・鶏肉・練りもの・豆腐・湯葉などがあります。

つまは椀種以外の実であり、椀種を引き立てる具材のことを言います。主に、季節の野菜や山菜、きのこ類、海藻、麸など様々である椀種のあしらいとして用いられます。

吸い口とは、香りを楽しむために食欲をそそるよう季節感のある風味を与える具材のことです。
木の芽やユズ、ショウガ、ウメ、ミョウガ、ワサビ、ふきのとうなどがあります。

お吸い物は具だけじゃない!つゆも大切な存在です

お吸い物のつゆは味付けの重要なベースです。つゆには一番最初にとっただし「一番だし」に塩と醤油で味付けしたものを用います。これをすまし仕立てと呼び、他に味噌仕立て、潮仕立てなどがあり、季節や具材あわせて仕立てます。

香りや旨味を瞬間的に引き出しただしで、濃厚かつ色が澄んでおり、上品なだしになります。つゆは、吸地、吹汁、吸だし、椀づゆとも言います。

お祝いのお吸い物と具材の意味

ひなまつりのお吸い物の具と言えば、はまぐりです。

昔から二枚貝は女の子を意味するものとされていました。はまぐりは対になっている貝でなければピッタリとフタが合わないことから、はまぐりは相性の合う人との良縁に恵まれる、夫婦円満を表す、女性の貞操を守るという意味があります。
また、「女性の美徳や幸せ」につながるとも言われます。

はまぐりは栄養価の高い食材で、残さず食べきれるよう、ひなまつりだけでなくお食い初めのお吸い物の具としても用いられています。

端午の節句に振る舞われるお吸い物も、男の子の成長や健康などの願いを込めて作られます。
お吸い物に使われる主な具材は、
鯛、筍、三つ葉など色々あります。

〈お吸い物の具材の意味〉
鯛:鯛の色は神様が好む色であり、名前のめで「たい」という言葉から縁起の良い魚とされています。

筍:真っ直ぐ伸び、成長速度も早いことから、子供が元気にまっすぐ育つような意味があります。  

三つ葉:「縁を結ぶ」という意味から、結んである「結び三つ葉」を用います。

意外な具材を使ったお吸い物

はんぺんと三つ葉のお吸い物

白だしと具材のはんぺんと三つ葉さえあればあっという間に作れます。忙しい時にもオススメなお吸い物です。
はんぺんのふわふわの食感や三つ葉の香りとシンプルな白だしの味が相性抜群です。
また、はんぺんはどのような具材とも相性がいいため、様々な具材との組み合わせも楽しめます。

くずうち海老と菜の花のお吸い物

海老の赤と菜の花の緑が引き立つ見て食べて楽しめるお吸い物です。海老には葛粉がまぶしてあり、旨みだけでなく食感も変化があります。
海老と菜の意外な組み合わせと、だしや具材の旨みの調和がいい一品です。また、春らしさも感じますね!

オクラのお吸い物

夏野菜であるオクラとミョウガのお吸い物です。
夏バテにも効果があるオクラやミョウガは意外な具材の組み合わせですが、相性はとても良いです。
だしがオクラの粘りとからみ、刻んだミョウガの食感はクセになります。具だくさんにも見えますね。

真鯛の白子と大根のお吸い物

白子はお吸い物具材にぴったりです。大根は旨みをその身に染み込ませ、濃厚な白子の旨味といいコンビです!具材の食感も楽しめます。
また、食べ終わる頃になると白子の風味がお吸い物に馴染んで、なおかつとろける旨味を引き立たせます。お吸い物で食感や味の変化を楽しめる具材は中々ないと思います。

まとめ

お吸い物は繊細かつ、香りや見た目の鮮やかさも楽しめる料理です。
具材の組み合わせによって様々なお吸い物ができますね。具材の色合い、食感、香りだけでなく、具材の良さを引き立てるだしによって、お吸い物は日本の文化として長く受け継がれています。
日本人たる皆さんも、お吸い物で具材やだしとの組み合わせを楽しんで作ってみましょう!

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