記事ID11363のサムネイル画像

“からし”の原料ってご存知ですか?“和からし”と“洋からし”違い

いろいろな料理に使い、味を引き締めてくれる“からし”。その“からし”の原料って意外に知りませんよね?ここでは原料の解説をいたします!ついでに“和からし”と“洋からし”の違いにクローズアップします!違いを知って使い分けましょう!

“からし”の原料って何?

日本で昔から食べられてきた「からし(辛子)」と言えば、和からし(和がらし)のことです。
この和からしの原料は、アブラナ科の植物のカラシナ(からし菜)の種子(からし種子/マスタードシード)を原料として作られるものです。
原料のからし菜の種の油を絞った後に細かく砕いて撹拌し、乾燥させたものが「粉からし(からし粉)」です。

この粉からしに水を加えて練ったものが「練りからし」です。現在一般的に使用されているのはこの練りからしをチューブに入れたものです。からしは、水分を加えて練ると、酵素の働きで辛み成分が生成されて、辛くなるのです。しかし、からしの辛味成分は揮発しやすいものなので、練りがらしにしてしまうとせっかくの原料の辛味成分が抜けやすくなってしまいます。そこで、市販のチューブ入り練りがらしには、原料に食塩や食酢、植物油などで辛味成分を逃がさないようにする工夫がなされています。
ピリッと辛いからしを食べたいのなら、粉がらしを用意して、食べる前に水で練って使うというのがおすすめです。

“洋からし”の原料って同じもの?

洋辛子は、和辛子と混同されやすいですが、一応別物です。
違いは2点あり、ひとつは使われるからしの原料の種子が別の品種のものであるということ、もうひとつは製造工程での違いです。和辛子の原料はカラシナ(セイヨウカラシナ)の種子ですが、洋辛子の原料はクロガラシ(ブラックマスタード)やシロガラシ(ホワイトマスタード)です。
洋辛子は、よくボイルしたソーセージやローストビーフなどに添えられていて、原料の粒を残した状態のものもよく使われます。マスタード(洋辛子)に使われる原料のからし種子は和辛子と比べると比較的大きめの粒のものです。また、加工して原料をペースト状にする時に調味料を加えたりすることもあるので、和辛子と比べると辛味があまり立っていないまろやかな味わいのものが多く見られます。

“からし”の原料 旬ってあるの?

からしは原料を粉状にして加工して密封して保存しておけば日持ちのする食品なので、特に原料に旬という意識はないように思います。からしの原料であるからし種子の一大産地であるカナダでは、6月に種を巻き、8月に開花し、9月に種子の収穫を迎えるそうです。植えてから約90~100日で収穫を迎えるというサイクルだそうなので、カナダで9月の収穫されたからし種子が加工されて製品となる秋から冬にかけてが原料のからしの旬と言えなくもないでしょうか。
ちなみに、からしの種子ではなく、野菜として食べられているカラシナ(からし菜)の旬は、日本では地物が大体3~4月頃です。

“からし”の原料 産地ってどこ?

日本では奈良時代から香辛料として使われていたというからしは、中近東原産で日本には中国経由で伝えられたと見られています。
そのように歴史もある香辛料のからしですが、今では日本国内で使われているからしの原料のほとんどはカナダからの輸入に頼っています。カナダは、世界のからしの消費量の半分を占めるというからし種子の輸出大国なのです。カナダ以外には、アメリカ、インド、フランス、ドイツ、中国などで栽培されています。世界的に比較的温暖な気候の土地であればどこででも栽培は可能ですが、日本でのからしの原料の栽培は採算面で競争には勝てず、国内での生産量は今ではほとんどありません。そんな中、日本国内でからしの原料のからし種を伝統的に作り続けている福井県のような産地もあります。

“からし”の原料が分かったら 【練り方】

辛い辛子を練るには根性悪く練ると辛さが増すとか!辛さの中に甘さも感じられるような粉辛子があったり、好みの粉辛子を見つけ使う度に練ってみませんか?

粉辛子を練るには猪口等の小さな筒状の器が向いているそうです。

器に粉辛子(大さじ2~が作りやすい分量)を入れ微温湯を少しずつ加えて箸で混ぜます。粉っぽくなくクリーミィな感じで水分が決まれば一気に箸で30回くらい混ぜ合わせます。

シッカリ混ざったら皿等の上に器を逆さに置き、最低10分、辛さが増すのを待ちます。使う時以外は必ず皿に逆さに置いて空気にさらさないようにすると辛さが長持ちします。

“からし”原料 【まとめ】

“からし”の原料や特徴はいかがでしたでしょうか?
同じ“からし”でも原料から全く違うものだったのですね。
原料の違いが分かったら、今日からさっそく、料理にあった使い分けをマスターしましょう!

関連する記事

この記事に関する記事

この記事に関するキーワード

キーワードから記事を探す

TOPへ